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家の売却を考えたら老人ホームの選び方は?費用や資金計画も合わせて解説

不動産売却

髙田 典子

筆者 髙田 典子

ご希望の物件を見つけるお手伝いができることを嬉しく思っております。お客様のライフスタイルやご予算にぴったりの物件をご提案できるよう、全力でサポートさせていただきますので、どんなことでもお気軽にご相談くださいね。お客様にとって最適な選択ができるよう、一緒に頑張っていきましょう!

ご自宅を手放して老人ホームへの入居を考えはじめると、「家の売却は本当に必要なのか」「どう進めたらよいか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。家を売る決断は大きなものであり、費用や手続きなど、わからないことが多く不安を感じるのも無理はありません。この記事では、家の売却を検討する理由から、税制のポイント、資金計画、準備の流れまで、分かりやすく解説します。大切な一歩を安心して踏み出せるよう、ぜひご参考になさってください。

今の家を売却して老人ホームへの入居を検討する理由

ご自宅を売却して老人ホームへ入居する選択には、さまざまな理由があります。

まず、ご自宅を維持するには固定資産税や光熱費、日々の管理にかかる費用や手間が発生します。とくに高齢になるほど、庭の手入れや建物の維持をするのは体力的に負担となりやすく、不動産を売却することでこれらの維持費や煩わしさから解放されます。不要な負担を減らし、新しい生活に備えることができます。

次に、売却で得られた資金を老人ホームの入居費や生活費に活用できる点です。多くの老人ホームでは入居一時金や月額利用料などまとまった資金が必要です。ご自宅を売却してまとまった資金を確保することで、入居後の安心した生活が可能となります。

加えて、ご自宅が空き家の状態となることで放置リスクや防犯の不安も生じます。売却により空き家管理の心配もなくなり、精神的にも安心できる点が大きなメリットです。

このように、家を売ることで「維持の負担を軽減」「入居費用の確保」「空き家リスクの解消」という三つのメリットが得られます。以下の表で整理しました。

メリット内容
維持費の軽減固定資産税や修繕費、管理などの負担を減らせます。
資金確保入居一時金や月額費用を自宅売却でまかなえます。
空き家リスク回避防犯や維持の心配が不要になります。

売却を進める際に知っておきたい税制上のポイント

ご自身の住まいを売却し、老人ホームへの入居資金に充てる際に、税負担を軽くできる制度がいくつかあります。特に重要なのが「譲渡所得税の三千万円特別控除」です。以下にポイントを整理しました。

制度名 概要 適用の要件・注意点
譲渡所得税の三千万円特別控除 居住用不動産を売却した際、譲渡益から最大三千万円まで控除でき、税額を軽減できます 売主が直前まで住んでいた家であることが必要で、確定申告も必要です。所有期間は問われませんが、住宅ローン控除との併用はできません
十年超所有軽減税率の特例 所有期間が十年を超える住宅を売却した場合、譲渡所得に対する税率がさらに低くなります 三千万円特別控除との併用が可能で、譲渡所得の課税部分にこの軽減税率が適用されます
相続した家・空き家の特例 被相続人が住んでいた相続住宅を売却した場合にも、三千万円控除や取得費加算などの特例が適用可能 相続後三年以内の売却や建築時期など細かい要件があり、どの制度を使うかしっかり判断する必要があります

一つ目の「三千万円特別控除」は、ご自宅など居住用不動産を売却する際に譲渡所得から最大三千万円を差し引ける制度です。控除を受けるためには、売主が売却直前まで「生活の場として住んでいた」ことが前提で、確定申告が必要になります。また、住宅ローン控除との併用はできないため、どちらがお得か判断が必要です。

二つ目の「十年超所有軽減税率の特例」は、所有期間が十年を超える住宅を売却する場合、譲渡所得に対する税率がさらに低くなる制度です。たとえば、三千万円控除後に残った譲渡所得に対して税率が十四・二一%(所得税十%・住民税四%・復興特別所得税)となり、大きな節税効果が期待できます。こちらは三千万円控除と併用可能です。

三つ目として、ご両親などから相続した住宅や空き家を売却する場合にも利用できる特例制度があります。「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」などにより、三千万円控除や相続税の取得費加算特例の適用も可能です。ただし、相続開始から三年以内の売却や建物の築年数(昭和五十六年五月三十一日以前)など、細かい条件がありますので注意してください。また、どの特例を使うかによって納税額が変わるため、判断が重要です。

老人ホーム入居に向けた資金計画としての売却活用方法

ご自宅を売却して老人ホームへの入居資金を確保する際には、以下のような方法とポイントを押さえておくことが大切です。

● 資金の確保方法の基本

まずは、老人ホームへの入居に必要な資金の全体像を把握することが重要です。こちらには、例えば「入居一時金」「引っ越し費用」「家具家電購入費」「月額利用料」などが含まれます。特に入居一時金などまとまった支出が発生する場合には、適切に資金を準備する必要があります。老人ホームの費用相場は、入居一時金が数百万円から数千万円、月額費用が数十万円にのぼることもありますので、事前に把握しておくと安心です。資金を確実にするためには、ご自宅を売却して現金化する方法が活用されています。これにより、まとまった資金を一度に用意することが可能です。

● 売却資金の活用パターン

売却によって得た資金の活用方法には、主に以下のようなパターンがあります。

用途 内容
入居一時金への充当 まとまった資金を前払いして月々の支払いを軽減
月額利用料の補填 入居後の生活費や介護費用の補填に活用
つなぎ資金としての借入 売却代金が入るまでの間、不動産担保ローンなどで資金を確保

特に、不動産担保ローンを利用すれば、売却完了を待たずに短期間で必要資金を準備できます。これは、人気施設などに早急に申し込みたい場合に有効な手段です。 また、売却せずに自宅に住み続けたい場合は、リースバックやリバースモーゲージを利用する選択肢もございます。

● 資金計画を立てる際のチェックポイント

  • 資産の現金化可能額を正確に把握し、売却後の諸費用(仲介手数料・税金など)を差し引いて手取り金額を見積もること
  • 入居期間を想定して資金の持ちを計算し、余裕を持ったプランにすること
  • 売却のタイミングや市場相場、支払いの期限に合わせて計画的に進めること
  • ローンを利用する場合は、返済計画を十分に検討し、返済が負担とならないよう注意すること

これらを踏まえて計画的に進めることで、ご自宅を資金源としながら、安心して老人ホームへの入居を目指すことができます。

売却を円滑に進めるための事前準備と流れ

ご家族と早めに話し合って意思を確認することは、安心して売却を進める第一歩です。売却のタイミングや資金の使い道、ご入所後の暮らしまで含めて、家族全体で共通の理解を持つことが大切です。

次に、査定依頼や価格の把握について整理しておきましょう。まず、複数の不動産会社に査定を依頼し、机上査定と訪問査定で価格の目安を比較します(例:机上査定は数日、訪問査定は約1週間程度かかります)。そのうえで、自宅の状態を軽く整え、必要な書類を整理し、価格判断の基礎を固めます。

売却後の税務申告や資金の整理も視野に入れておきましょう。売却によって利益(譲渡所得)が発生する場合、一般的に翌年2月16日から3月15日の間に確定申告が必要です。必要書類には売買契約書や取得費・譲渡費用の領収書が含まれ、売却の際の諸費用(仲介手数料など)も整理しておきます。

準備項目内容目的
家族の意思確認売却時期や資金の使い道を共有安心して判断できる基盤づくり
査定依頼と価格把握複数の査定と現状整理適正な売出し価格の設定
税務・申告の整理譲渡所得・必要書類準備トラブルなく申告を進められる

こうした流れを踏まえることで、売却のプロセスを着実に進めつつ、老人ホーム入居に向けた資金もスムーズに確保できます。ご家族が負担を感じず安心して進められるよう、丁寧に準備を進めましょう。

まとめ

住み慣れた家を売却し、老人ホームへの入居を考える際には、売却のメリットや老後の資金計画、税制上のポイント、事前準備の順序が大切です。家を維持し続けるリスクや費用負担を軽減できる一方、売却資金を有効に活用するためには知識と準備が必要になります。特例制度の活用や家族での早めの話し合いは、安心して新たなスタートを切る大きな支えとなります。分かりやすく丁寧にお手伝いしますので、安心してご相談ください。

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